こんにちは。前回の投稿から間が空いてしまいました。直島です。
最近はYouTubeでお絵描き関連の動画も多く、見ているだけでも勉強になるのでとても重宝しています。
特にさいとうなおき先生の動画は内容が参考になるばかりでなく、モチベーションも上げてもらえるのでとてもありがたい存在です。
そのさいとう先生の動画のなかでも特に参考になった動画がありましたので、備忘録もかねて考えたことなどを書き連ねていこうと思います。
【完全解説】イイネされる絵づくりの考え方『見た人を●●に連れて行く
動画概要
絵の減点部分と加点部分をそれぞれ要素別に解説した内容であると理解しました。
減点部分は、抑えていないと反応のきっかけを失ってしまうもの。
要素としては、「共感性」「違和感」の2点。
そして加点部分は、抑えているとより多くの人に反応してもらえるもの。
要素としては、「配色」「描き込み」「フェチズム」の3点。
それぞれについて考えてみます。
減点部分について
共感性
大前提として、絵を見てくれる人は基本的に私自身に興味がないどころか存在すら認識していないことがほとんどです。
そんな初対面の人間よりも遠い存在の人に、コミュニケーション(絵はコミュニケーションの手段ですよね)するにはどうしたらよいのでしょうか。
会話をイメージすると分かると思うのですが、まずは共通の話題を探すことから始めると思います。
最初はざっくりとした内容、天気であったり時事ニュースであったりでしょうか、から始まり徐々に細かな共通点を探っていくと思います。
当然共通点が大きいほど会話は弾みます。この共通点が絵で言うところの「共感性」であると思います。
つまり共通の話題ですね。
先述の通り話題は大きすぎれば共感は弱まり対象となる人は増加します。一方で小さすぎると共感は強まるのですが、対象層は小さくなります。
共感力と対象規模はゼロサムの関係にあるため、どちらをどれだけとるのかという問題に直面します。
非常に難しい問題ですね。
しかしTwitter、インターネット上でモノを公開する場合に関しては、対象規模の大きさはあまり気にする必要がない気がします。
(もちろん1億人に1人しか共感できないようなあまりに特殊なものは別ですが…)
インターネット人口は無限大に感じられるほど膨大で、自分ではマイナーであると思っている内容でも必ず共感してくれる人は存在します。
もちろん規模が小さいものは、その特定層に見てもらうために拡散してもらう必要があるのである程度の共感性を持つことが望ましいです…
なのでどちらを意識すべきかというと、共感性の強さ、つまり内容の深さなのかなと思います。
一方で内容が深いと、表現しなくてはいけない要素も多くなるはずです。
うまく構成しないと分かりにくい絵になってしまい、折角の内容が伝わりにくくなってしまいがちです。
深い内容を分かりやすく伝える、これが肝要であるのではないでしょうか。
ちなみにさいとう先生の動画では、共感してもらうには以下のネタが良いと例示されていました。参考になりますね。
あるあるネタ:シチュエーションのこと 季節感や人間の性質など
時事ネタ:お正月やハロウィンなど 計画性が試されますね
二次創作ネタ:言わずもがなですね M200はカワイイのです(個人的な話を失礼)
ほかにも考えてみるといろいろありそうですね。
時分だけのネタを見つけられると横展開できてアイデア出しも捗るのではないかと思います。
違和感
これは誰もが直感的に理解できるものですね。
さいとう先生は違和感をさらに3点に分割して説明されています。
「何を伝えたいかわからない」
「カッコよくない、可愛くない」
「生理的に受け付けない」
それぞれについて考えてみました。
何を伝えたいのかわからない
何を伝えたいか分からないのは、構図の問題であるとさいとう先生は説明されています。
構図とは何なのか。非常に難しいと思っているのは僕だけでしょうか。
現状の自分の答えは、絵の描写にかかわらず本能的に影響を受ける要素の配置であると考えています。
これが目的に沿っていない場合、分かりにくい絵になってしまい「何を伝えたいのかわからない」絵になってしまうのですね。
構図は先人の研究によってパターンがしっかり知識化されているので、学習できる要素でまだとっつきやすいと思います。
自分もちゃんと勉強しないとな、と思ってしまいますね。
ちなみにさいとう先生は、構図について別の動画でも解説されているのですが、こちらもとっつきやすくて良いかと思います。
有名な三角構図や日の丸構図以外にも魅力的な構図が沢山あるので、興味がある方は調べてみるとアイデアがモリモリ湧いてくるかもしれません。
参考にいろいろな構図を紹介しているサイトへのリンクを貼っておきますね。
このサイトでは、「これだけは覚えたい」構図を16種類も掲載しています。沢山あってびっくりしてしまいますね。
また、僕の大好きな美術系マンガ「ブルーピリオド」では絵の構成要素は「テーマ」「構図」「描写」であると述べられています。
「テーマ」設定については先に書いた通りある程度の深さをもって設定出来ればベターかなと思います。
「描写」は…練習が必要ですね。僕も日々精進です。
カッコよくない、可愛くない
これは原因がポージングにあるとおっしゃられています。
前提として、いわゆる萌え絵のようなキャラクターがメインとなるジャンルでは
キャラクターの魅力を伝えることがテーマの中に必ず含まれています。
そのうえで、その魅力が伝わらないような絵はポージングに原因があると述べられているのでしょう。
ポージングは構図×描写のようなものであると考えているのですが、
目的はキャラクターの性格を表すことや絵の空間を認識してもらうことなど多岐にわたります。
割とポージングはテンプレート的な所があるようにも感じるので、
時間があるときに自分用にライブラリを作ってみると参考になるかもしれませんね。
また、ポージングは画面内の一番重要なシルエットを形成するものですので、
図形に近い形でカタチを取り心理的影響を考えるのが重要であると思います。
さいとう先生は下記動画中で三角形を例に解説されていますが、円や四角形なども面白いと思います。
図形が心理に与える影響は本能的なものなのでこれも学習してみると良いと思います。
以前紹介してもらった、とてもわかりやすい本がありますので紹介させてもらいます。
図形が心に与える影響に特化した珍しい本ですが、内容もわかりやすくお勧めです。
図形は大きな画面構成作りに重要なので使いこなせるようになりたいものです。
生理的に受け付けない
デッサンが崩れているとそれだけで違和感を感じ取られてしまいます。
まずは描きやすい構図で描くと良いのかなと思います。
また、プロのイラストを模写したりすると自分の思い込みで描いていた部分が実は間違っていたことに気付けたりもするので良いと思います。
模写については以前の記事で書いているので、リンクを貼っておきますね。
模写するときに気を付けるべきこと等について書いていますので良ければお読みください。
動画内では対策として「左右反転」「離れて見る」「いったん寝る」といった方法が紹介されていましたが、
いったん寝るのは本当に気づきにつながるので、可能なら一晩寝かせてから投稿すると良いかもしれませんね。
加点部分について
配色
コンセプトアーティストである高原さとさんは、絵が何か変だと感じる時それは色が間違っている時だとおっしゃられています。
色の正誤は絵の印象を大きく変化させるので、注意を払う必要があります。
一方で色は人によって見え方が異なります。視細胞の分布や心理状況によっても異なるため、昨日の自分とも見え方が異なっているはずです。
そういう意味ではあまり正誤にとらわれ過ぎず、自分の見える色に忠実に表現することが個性につながるのかもしれませんね。
描き込み
人の脳は情報が大好きです。
無意識に情報量の多い場所を見てしまうようになっています。
これを利用して、描き込み量の疎密を絵の中に作ることで視線を誘導することができます。
つまり、描き込んだところは良く見てもらえて、描き込まれなかったところはあまり見られないということです。
ここで大事なのは、絵の中には見て欲しい場所と見てもらう必要のない場所の両方を作る必要があるということです。
もし画面すべてを描き込んでしまった場合、絵を見る人はどこから絵を見始めていいのか分からず、モヤっとした感覚になってしまいます。
そしてこのどこから絵を見始めるのか、という判断は無意識レベルで行っています。
そのため描き込みレベルが均一な絵、つまり端から端までしっかり描いてある絵は逆に違和感を持たれてしまうのです。
見て欲しい場所、例えばキャラクターの顔周辺や手などはしっかりと描き込み、
重要でない場所はさらっと描いた方がむしろ良い結果を生むことがあるということは覚えておくとよいのではないでしょうか。
フェチズム
これは絵の共感性に通じるものだと思います。
フェチズムは人の欲求に深く根ざしているものですので、恐れずに表現することで強い共感を呼び起こすことができると思います。
自分にも言えますが、恐れずにフェチズムを表現していきたいものですね。
まとめ
イラストを描く時には「減点部分」である共感性・違和感に気をつけつつ、「加点部分」である配色・描き込み・フェチズムで個性を発揮できると良いかと思います。
考えることが多くて時間がかかりますが、常に意識して習慣化していきたいものですね。
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