「身体の描き方がまったくわからない… どこから描き始めればよいのかもわからない」
「身体の勉強をしようと本を買ってみたけれど、筋肉の数が多すぎて覚える気にもならない」
「卵型や箱型でアタリを取る次の段階の勉強をしたい」
こういった悩みを抱えているひとに是非読んでもらいたい、
モルフォ人体デッサン「箱と円筒で描く」のレビュー記事です。
この記事を読むことで、「箱と円筒で描く」がどのような人向けの本なのか、
この本を買うことでどのような効果が期待できるのか知ることができます。
身体の勉強を考えている人、どんな本を買おうか迷っている人はぜひ最後まで読んでみてください。
本記事を書いている私はお絵描き歴10年、絵の技法書を集めることが趣味で
技法書を20冊以上所有している技法書マニアです。
「箱と円筒で描く」はこの20数冊の中でも屈指の良書なのでこれらの知見から解説していきます。
「箱と円筒で描く」のよいところ
![](https://mutisme614.com/wp-content/uploads/2020/08/lavi-perchik-XYK2oHVKuJA-unsplash.jpg)
単純な形の組み合わせだけで身体を理解できる
「箱と円筒で描く」はその名の通り、
箱と円筒のみで身体の形を説明する、というコンセプトに基づいて執筆されています。
本を開いてみた瞬間、シンプルな形で身体が描かれていることに驚くことでしょう。
そのため、絵を描き始めて間もない初心者にもやさしい内容になっているのが嬉しいところです。
箱と円筒を描くことができるならば身体がかけるよう全編書かれており、
購入にあたり必要とされる前提知識は特にありません。
また単純な図形のみで説明されている為、身体にパースを付ける勉強に使うことも可能です。
基礎からフェチな部分まで広くカバー
本書は卵型と箱型から胴体のアタリをとることから始まり、
最終的には、上腕や下肢といった部分でも数パーツに分解して考えるようになるため
初心者から中級者まで幅広く対応している内容になっています。
つまり身体の勉強をしたい人なら自分のレベルは気にせず購入できる内容だと言えます。
個人的に、この本を読んで内転筋(内腿の筋肉です)に目覚めたくらいなので、
身体の身体らしさはこの本だけでも表現できるようになることも可能です。
掲載されている図がすべてデッサン
写真での説明はメリットも多いのですが、その一方で情報量が多すぎ難しくなってしまいがちです。
その点で本書の図はすべて鉛筆デッサンですので、
はじめから覚えるべき情報が取捨選択されていると言えます。
そしてすべての図がデッサンであるため、図の模写練習に最適です。
ちょっとしたスキマ時間に1ポーズだけ練習、のようにサクサク練習することができます。
押さえなしで本を開いたままにできる
「箱と円筒で描く」を含め、モルフォ人体シリーズは特殊な製本方式が採用されており、
本を180度開いた状態を押さえ、おもし無しでキープすることができます。
絵を描く時、参考にしたい箇所を見ながら描く際にとても重宝します。
ちょっとした練習時も開くだけでセット完了なのでこの手軽さは嬉しいですね。
ここまで「箱と円筒で描く」のメリットを説明してきました。
次項では、本書を使っていて私が感じた不満点を解説していきます。
「箱と円筒で描く」のよくないところ
![](https://mutisme614.com/wp-content/uploads/2020/08/nick-fewings-Tu8jNtA1ym4-unsplash.jpg)
顔の説明にかなりのページ数を割いている
リアルな顔の練習をしたい人にとっては特に悪い点ではありませんが、
いわゆるイラストを描く人にとっては顔のパートはあまり参考にならない部分です。
イラストを描きたい人で、リアルな顔の練習が不要な人は
身体の練習用であると割り切って購入するのがよいでしょう。
文字の説明が少ない
モルフォ人体シリーズは文字による内容解説がほとんどなく、
基本的に図を簡単に補足する文章しか書かれていません。
個人的には本書は模写をして練習する前提の構成になっているのではないかと思っています。
そのため、本を買って読んでいるだけでは上達につながらないことでしょう。
また、練習しているとよくわからない箇所も出てくると思いますが、
そのような時解説がほとんどないため「箱と円筒で描く」のみで解決することは難しいです。
そのためしっかり勉強を行いたい人は、別途解説が詳しい本を買うと良いと思います。
解説が詳しい本についてはいずれ記事を作成しますが、
「ソッカの美術解剖学ノート」が本当にオススメです。
値段を見て驚くかもしれませんが、内容を考えれば全然安いので買い一択です。
まとめ
![](https://mutisme614.com/wp-content/uploads/2020/08/aaron-burden-CKlHKtCJZKk-unsplash.jpg)
「箱と円筒で描く」は初心者から中級者まで広くオススメできる1冊です。
身体をかけるようになると、絵作りの自由度が飛躍的に高まりいろいろな絵が描けるようになります。
また、絵に説得力を持たせることができるようになるため、
多くの人から違和感を抱かれない絵を描くことができるようになり、
結果として絵に対する反応が劇的に増えていきます。
そのため、身体の勉強を行うことはとても重要であると言えます。
本書は模写などの練習を行う前提の本で、買うだけで得られる効果は薄いですが、
この本の図をすべて模写した暁には人体を自由に描けるようになっていることでしょう。
努力を惜しまない向上心の強い方にピッタリの本です。
努力するかどうかで来月、再来月の画力は大きく変化します。頑張りましょう!
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