この絵でやりたかったこと
絵の構成
pinterestで見つけたイメージに惹かれ、画像から雰囲気をインスパイアされた絵を描きたくなりました。
ファッション、バスの窓から入ってくる光、全体の明暗バランスあたりに惹かれ描き始めました。
1. ファッション
ダボダボの服を着る小柄な女の子、良くないですか?良いですよね?
人間のシルエットって当然ながら縦長なので、これを生かす方向と、(あえて)外していく方向があるんじゃないかと思っています。
今回のダボダボ服xM200は後者の方向の一例です。つまり水平方向への展開です。
水平方向と垂直方向を分ける大きな違いは重力です。
x,y方向はある意味等価であるといえますが、z方向は重力の関係で異なる意味をもつと思います。
z方向への対抗としてのx,y方向的膨張。それと調和としての服の垂れ下がり。
これが要素として意味を持つための必要条件だったと思います。すべて後付けですが。
2. 光と明暗
明暗バランスは”デジタルアーティストが知っておくべきアートの原則”に書かれている内容を踏まえて制作に臨もうと考えていました。
本の内容を詳しく書くことは望ましくないので自分の理解をまとめると、
①バリアンスの設定をする(最大明度と最小明度の範囲を決める)
②キーの設定をする(最も面積面で支配的な明度を決める)
③コントラストの設定をする(最大コントラスト差の程度と配置を決める)
上記3要素なのかな、と思っています。
後述しますが、今回の作品ではこれをあいまいなまま進めてしまいました。
当初ハイバリアンスでローキーの絵、のつもりだった気がしますが…
しかしハイバリアンスxローキーでは暗くドラマチックな雰囲気になりがちなのでそもそも向いていなかったと言えるでしょう。設定ミスですね。
作品の良い点
M200をかわいく描けた
身も蓋もないですが、これができていれば究極他は装飾的な部分といえなくもないですね。
顔のアングルを決めてから相当表情や頭の形をこねくり回したので、難産でしたが結果的に満足いく出来になりました。
特に白目の立ち上がり方と、鼻頬あごのラインは最終的に良い感じになってくれて幸運でした。
まったく具体的な道筋が立てられないなかで、偶然置いた色がうまく方向をリードしてくれました。
また後頭部の形を結構試行錯誤したのですが、これも良い感じになってくれたと思います。
束ねた髪のはね方も個人的にかなり良き、な感じです。
暗い場所をしっかり暗くできた
最後にトーンカーブで操作して、絵の下部を思い切って暗くしたのですが正解だったと思います。
CLIP STUDIOで見ている絵の見え方と、Xで見える絵の見え方ってなぜか全然違うので投稿するまでどうなるかわからず一発勝負なトコロがあると思っています。
(サブ垢に投稿するなりテストすればよいだけの話ではあるのですが…)
絵の下部は特に絵的に意味のない場所だったので、思い切っていけました。書き込みは無駄になりましたが。
手の抜くところを見極められた
窓の外を相当手抜きで描いたのですが、それほど悪目立ちしてなかったかなと思います。
あとバスのシートとか壁面とかレールとかも、描きこむ必要はなかったなと感じています。
つまり背景の手の抜き方は狙い通りということです。よしよし。
でも服についてはもっと描きこみした方がよかったかな~、と思う箇所もあり難しい部分です。
作品の悪い点
キャラの明度が高い
バスの中にいて光量が少ないのと、逆光になっている環境なのでキャラはもっと暗くなるべきですし、その方が絵全体として締りがでるはずです。
でもキャラを暗くすることに恐れを感じて、特に顔周辺をかなり明るくしてしまいました。
これによって絵の説得力というかリアリティが失われてしまったかと思います。
ただ、キャラを暗くすると見てほしい場所に目がいかなくなるので難しいですね…
服、髪の描きこみが少ない
今回の服はしわ、波うちが大きいので情報量が多い場所なのですが、描きこみが甘く説得力が弱いですね。
特にテクスチャが感じられないのはキャラとの距離感が遠くなってしまうので課題です。
髪の描きこみは昔から苦手とするところで、逃げ続けているせいか上達していません。
もっと束感、繊維感のあるフワッとした髪
もっと前後に流れのある立体感を補強する髪
これらを目指していきたい所存です。
次回への課題
描き始める前に設定を練る
バリアンスなどの明度設定や、絵のバックグラウンド、光源関係など
事前に決めることで絵の説得力が増す要素が多分にあるにも関わらず、設定を詰めずに描き始めてしまっているのでこれを改めます。
単純に億劫でやれていない部分になるので、設定のチェックリストを作って毎回詰めるようにすればできるようになるのかな。結局は自分の怠惰さとの戦いですね。頑張ります。
よりテクスチャ感のある描写をする
描きこみ量を増やすことでテクスチャ感が増す場合と、そうでない場合があるので見極める。
技量があがれば描きこみですべてカバーできるようになるのかもしれないけれど、ないものねだりなので違うアプローチを考える。
デニム生地みたいな素材によるテクスチャ感の表現は、テクスチャ素材を作って貼り付けたほうが見栄え的にも手間的にもよいだろうし…
逆に髪の毛なんかは描きこみ量がテクスチャ感に直結しそうなので、どんな風に描きこむことができるのか、良いと感じた絵の描きこみ方を研究してみるのがよいのかななどと考えています。
それではまた。
作品リンク
X: https://twitter.com/mutisme614/status/1852328394618442145/photo/1
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